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zoom RSS ハイジに学べ!@ 伸びやかに成長する秘訣

<<   作成日時 : 2017/01/27 20:23   >>

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ハイジを取り巻く人々やアルプスの大自然は
ハイジにどのような影響を与えていくのでしょうか。



ハイジの物語は、なるほど深くて面白い。

これはセラピストとして働き始めて数十年経ったある日
『アルプスの少女ハイジ』のアニメをたまたま見る機会があり
そのときに感じた小さな驚きでした。

この作品が、宮崎駿監督や高畑勲監督の手によって
アニメ化されたということは後になって知りました。

世界的なベストセラーであり
後に日本を代表する名監督となるこのお二人の心をつかんだ
この物語は一体どんな人物が書いたのか
にわかに関心がわいてきました。




「ハイジの生みの親:ヨハンナ・シュピリ」
ハイジの著者ヨハンナ・シュピリ(1827 ~1901年)は
スイスの女流作家で、ハイジの物語を匿名で出したところ
大反響となり一挙にベストセラー作家となりました。

シュピリの父親は医者で、母親の実家は牧師一家でした。
ドイツ語で牧師は「魂の世話をする人」とも言います。
父が体の世話をする人で、母が魂の世話をする人の家に生まれたことは
シュピリの作品に大きな影響を与えたに違いありません。

苦境にある人たちに希望の光をともす
彼女の作品の力強さと温かさは、ハイジの物語の特徴でもあります。


さらに彼女は、生涯ドイツの詩人であり作家
そして自然科学者でもあったゲーテを敬愛していたことでも知られています。

ゲーテは青年が様々な体験を通して心が成長していく過程を
『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』
などの小説で描いた巨匠です。

彼のそうした作品群は
後に「自己形成小説(Bildungsroman)」というドイツ文学の礎となりました。

彼の小説に深い感銘を受けたシュピリは、自分は児童文学の分野で
幼い少女を主人公とした自己形成小説を書こうと思い
「ハイジ」の物語ができあがったと言われています。

この連載では、心と体が元気になっていく方法を
「ハイジの成長物語」を通して探っていきたいと思っています。

「成長」するという性質のなかに
人の心と体が「元気」になるための秘けつが
隠されているはずだからです。


「成長の本質とは?」
心の「成長」を表現するときに
ドイツ語ではEnt-wicklungという言葉を使います。

この単語の前半Entは「起源」「開始」などを意味の接頭語で
後半Wicklungは「巻かれたもの」を意味しています。

従って「成長」を意味するこの単語は
織物や絨毯(じゅうたん)といった巻物が開かれていくに従い

新しい模様や色彩が
次々に立ち現れてくる様子をイメージすることができます。


「成長」という言葉には
すべてが開かれてお開きとなるまで

たとえ何歳になっても「成長」を続けていくという
ひとつの青写真が描かれているのです。


「成長」という言葉が
子供の専売特許ではないということがわかってきます。


「“内側からの成長”と“外側からの教育”のはざまで」
「成長」といえば、必ずセットになっているのが「教育」です。

物語のなかでは、ハイジの行く先々で
彼女に影響を与える大人たちが現われてきます。  

物語は、孤児であったハイジを面倒見ているデーテ叔母さんが登場し
彼女の都合でハイジがアルプスのおんじ(おじいさん)のところに
連れて行かれるシーンからはじまります。

おんじは気難しく頑固ですが
ハイジは彼の下ですくすくと成長していきます。

物語中盤で、舞台はアルプスからドイツの大都市フランクフルトに移り
そこではクララの家の厳しい執事ロッテンマイヤーさんや
真面目な家庭教師、クララのお婆さんやお医者様など
個性的な人物が次々に登場してきます。

彼らは、それぞれ子供に対する「教育」について信念がありました。

ハイジの周囲をとりまく人々は
ハイジにどのように影響を与えていくのでしょうか。


「教育者としての大自然」
さらに、この物語の背景には偉大なる教師者が存在しています。
それは、アルプスの「大自然」という無言の教師です。

ゲーテは、「自然」を「開かれた書物」として
生涯、自然の摂理を読み取り、人間の在り方を追求し続けいた人物でした。

たとえば、一粒のどんぐりには
その後、たとえばカシの大木へと育っていくために
必要なすべてが折りたたまれています。

人間の場合もまた
内側にその後に必要な素材はすべて用意されている
そういう前提で人生そのものをみていくのです。

こうしたことを踏まえたうえで著者シュピリは、
ハイジを通して天から授かった資質を伸び伸びと展開していく方向と
社会の秩序に従っていくために必要な躾との間でおこる葛藤を
様々な場面で描いていきます。

ちなみに、ドイツの保養地には「森林療法」というものがあります。

自然治癒力をアップさせるための最もシンプルな方法とされています。

鳥のさえずりや小川のせせらぎに耳を傾け
四季折々で異なる豊かな風景をながめるだけで
緊張していた体はゆるみ、心も落ち着きを取り戻していきます。

私たちの細胞が喜んで呼吸しているのがわかります。


また、「自然」(Natur)という言葉は「性質」という意味もあります。

人間は自然の一部でありながらそれを超える存在でもあります。

この複雑な「人間」という存在は
一体どこへ向かって「成長」していくとシュピリは考えているのでしょうか? 


「わたしはほんとに大地の子です。
わたしは栄養を大地からくみとります。
しかし大地は神のものです」


もしかすると、シュピリが自分自身について語った
こんな言葉が、それを解く鍵になるのかもしれません。



 (「サインズ オブ ザ タイムズ」2017.01掲載)

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